勤務態度に問題がある社員を辞めさせる前に|「社員カウンセリング」という選択肢
勤務時間中に仕事をしていなかった。
営業報告と実際の行動が違っていた。
無断で長時間職場を離れていた。
社内で何度注意しても勤務態度が改善しない。
会社として事実を確認した結果、社員に何らかの問題が見つかることがあります。
そのとき、
「この社員をどう処分するか」
という話になるのは当然かもしれません。
でも、経営者の本音は必ずしも、
「辞めてもらいたい」
とは限らないと思います。
むしろ、
「期待していた社員だからこそ、何とか立ち直ってほしい」
「本来もっと力を発揮できる人間だと思っている」
「できれば、もう一度会社で頑張ってほしい」
というケースもあります。
こころ調査室では、そんなときの選択肢として、企業からの依頼による社員カウンセリングも行っています。
問題を見つけることと、その後どうするかは別の話です
勤務実態などについて調査を行えば、一定の範囲で事実を確認できる場合があります。
しかし、
事実が分かったところで、その社員をどうするかまでは調査では決まりません。
処分する。
配置を変える。
指導する。
本人と話し合う。
もう一度機会を与える。
さまざまな選択肢があります。
もちろん、重大な問題がある場合には、会社として厳正な対応が必要になることもあります。
労務・法律上の判断が必要な場合には、弁護士や社会保険労務士などの専門家への相談も必要です。
一方で、
「問題はあった。でも会社としては、この社員にまだ期待している」
という場合もあります。
そのときに考えられるのが、社員との対話です。
「なぜそんなことをしたんだ」と責めるだけでは見えないこともある
問題が発覚した直後の面談では、どうしても、
「なぜやったんだ」
「会社を何だと思っているんだ」
「何度言えば分かるんだ」
という話になりやすいものです。
会社側が怒るのも当然でしょう。
ただ、その場で社員が防御的になれば、
謝る。
言い訳をする。
黙る。
反発する。
というやり取りだけで終わってしまうことがあります。
そこで、会社の指揮命令を行う上司とは別の第三者が話を聞くことで、
本人が今、仕事や会社について何を考えているのか
を整理できる場合があります。
社員カウンセリングは「会社の代わりに説教する場所」ではありません
ここは大切です。
こころ調査室の社員カウンセリングは、
会社から依頼されたカウンセラーが社員を説得するサービスではありません。
「社長はこう言っているから、もっと頑張りなさい」
と指導することでもありません。
まず本人の話を聞きます。
仕事についてどう感じているのか。
何か不満があるのか。
何に困っているのか。
今後どうしたいと思っているのか。
本人自身にも分からないことがあるかもしれません。
そのうえで、企業側から事前に伺っている、
その社員に何を期待しているのか。
どこを評価しているのか。
今後どんな役割を担ってほしいのか。
会社としてどんな将来を一緒に描いているのか。
といった内容について、本人へ伝えることがあります。
ただし、会社から本人へ伝えることについては、事前に企業側と共有範囲を明確にしたうえで行います。
「会社は自分を辞めさせたい」と思っていた社員が、実は期待されていることもある
勤務態度について会社から注意を受ければ、
「もう評価されていない」
「会社は自分を辞めさせたいんだろう」
と本人が感じることもあります。
でも経営側から話を聞いてみると、
「仕事そのものは評価している」
「能力はあると思っている」
「だからこそ今回のことが残念だった」
「できれば今後も会社で活躍してほしい」
と考えていることがあります。
この認識のズレは、本人には伝わっていないかもしれません。
そこで、
問題行動だけを見るのではなく、会社がその人の何を評価し、これから何を期待しているのか
まで伝える。
それによって本人が自分の仕事や立場について、もう一度考えるきっかけになる可能性があります。
ただし、モチベーションが必ず上がるわけではありません
社員カウンセリングを行えば、
必ず勤務態度が改善する。
必ず会社への意欲が戻る。
そういうものではありません。
本人が会社を辞めたいと思っている場合もあります。
会社との考え方が大きく違っている場合もあります。
職場環境に問題があることが分かる場合もあります。
また、心身の不調など、会社内の問題だけでは対応できない事情がある場合には、適切な専門機関への相談が必要になることもあります。
だから社員カウンセリングの目的は、
「社員を会社の望む方向へ動かすこと」ではありません。
本人と会社、それぞれが今後を考えるために、まず状況を整理することです。
会社側に、先にお話をお聞きします
社員カウンセリングを行う場合、いきなり対象社員だけに話を聞くのではありません。
まず企業側から、
何が起きたのか。
これまでどのような経緯があったのか。
会社は何を問題と考えているのか。
その社員をどう評価しているのか。
今後どうなってほしいと思っているのか。
などを伺います。
ここで一番重要なのは、
「会社は本人をどうしたいのか」
です。
処分を検討しているのか。
関係を修復したいのか。
もう一度機会を与えたいのか。
会社側の目的が曖昧なままでは、社員カウンセリングの目的も曖昧になります。
カウンセリングで話した内容を、すべて会社へ報告するわけではありません
企業から依頼を受ける社員カウンセリングでは、特に守秘と情報共有のルールを明確にする必要があります。
本人が安心して話せる場でなければ、カウンセリングとして成立しません。
その一方で、企業が費用を負担して依頼する以上、
「会社へ何が報告されるのか」
という問題もあります。
そのため実施前に、
会社へ共有する情報の範囲
本人の同意が必要な情報
安全上などの理由から例外的な対応が必要になる場合
などについて整理します。
社員本人にも、最初にそのルールを説明します。
「会社から依頼されたカウンセリングだから、話したことが全部会社へ伝わる」
という運用にはしません。
ここは社員カウンセリングを行ううえで、とても重要だと考えています。
素行調査と社員カウンセリングは、目的が違います
素行調査で確認するのは、
「実際に何が起きているのか」
という事実です。
社員カウンセリングで考えるのは、
「その事実を踏まえて、本人と会社がこれからどうするのか」
という問題です。
調査をしたからといって、必ずカウンセリングを行うわけではありません。
反対に、社員カウンセリングを利用するために調査をする必要もありません。
勤務実態について事実確認を検討している企業の方は、
社員の勤務中の行動が気になるとき|素行調査を依頼する前に企業が確認したいこと
もご覧ください。
問題が起きた社員にも、もう一度期待を伝えるという選択肢
社員が問題を起こしたとき、
会社として対応しなければならないことはあります。
問題を曖昧にすることと、本人にもう一度機会を与えることは同じではありません。
事実は事実として扱う。
必要な対応もする。
そのうえで、
「それでも会社は、あなたのここを評価している」
「これからこういう役割を期待している」
「今後も一緒に仕事をしていきたいと思っている」
と伝える。
それが本人にとって、仕事との向き合い方を考え直すきっかけになることもあります。
こころ調査室の社員カウンセリングは、
問題社員を“直す”ためのサービスではありません。
問題が起きたあと、
会社と本人がもう一度向き合うための、
第三者を交えた対話の場
として利用してもらうことを考えています。
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